私を頼って来てくれる生徒さんの中には
喉に負担のかかる発声をしていた為に
声にまつわる疾患・症状を抱えていらっしゃる方が少なくありません。
多くは『声帯結節』というもの。
以前患っていたことがある方、あるいは
もうこの先、治ることはないとお医者さんに言われた方など。
私はこの症状の経験はないですが
色んな生徒さんと出会っていく中で
想像していた以上に、声帯結節の経験者が多いことに驚きました。
好きな歌が原因で、思うように歌えなくなる挫折感、、、
それを宣告された時の打ちのめされたような心情は相当なものでしょう。
ですがある生徒さんは、前向きに声帯結節と付き合っていこうとお医者さんと話し合い、
喉に負担のかからない発声法である”ベルティング”のレッスンに励んでいます。
今回は声・発声に関する病気や症状について
お話したいと思います。
声帯ポリープ
(逆)V字の形をした声帯のどちらか片方にポリープ(膨らみ)が出来る症状です。”声帯の血豆”と耳にすることもあります。その膨らみが原因で声帯を上手く閉じることが出来ず、振動も邪魔されます。放置した状態が長く続いたり、ポリープの大きさによっては、声帯のもう片方にも何かしらの症状が現れるようです。
喉の違和感から始まり、症状が進行すると嗄声(させい)というかすれ声に。普段話している時から息もれ・声が続かなくなるというような症状がある。
昔のバンドの先輩にも、ポリープができステージから離れざるを得ない状況になった人もいます。やはり、喉を酷使するお仕事(シンガー・声優・ナレーターなど)やスポーツ選手の掛け声や、それを大声で応援する人などはポリープができやすいと言われていますよね。
さらには歌い手さんなどは、間違った発声法だとポリープになるリスクも上がるそう。
声帯結節
よく、”声帯にできるペンだこ”と表現される声帯結節。声帯が振動・こすれ合うことで物理的なストレスがかかり、それにより硬い組織が出来ます。ポリープとは違い、結節は左右両方の声帯に出来ることが多いです。
原因はやはり、負担のかかりすぎる喉の使い方や声を出すこと。経験した人から聞くと、息の漏れた声やかすれ声(嗄声)など、声の変化で異変に気付くそうです。ちょっとかすれた…というレベルではなく、もう本当にガラガラというか声として成り立ってないような、その位の変化。
ポリープ・結節の治療法
一つ目は声を出さない事。刺激を与えないことで治療する方法。他にはステロイドなどの薬での治療。これらは、数か月あるいは年単位の時間がかかります。メジャーで活躍しているシンガーやアーティストも治療に専念する為、長期のお休みを取ったりしていますよね。
二つ目は、手術で切除する方法。ポリープや結節の肥大した部分を切り取ることによって、かすれ声などは改善されます。ただし手術する医師の腕がとても左右されると聞きます。きれいに切除されないと、元々の声と違う声になってしまったり等のリスクも少なからずあるのだとか。数日間、絶対沈黙の期間は必要だけど、お仕事で声を使っている方には手術の方が良いのかもしれませんね。
ただし!!
いくらこういった治療を行っても、再び同じ喉の使い方をしてしまえば当然、再発の危険は高まります!
発生時頸部ジストニア・痙攣性発声障害
声が詰まる・震える・声が途切れる、といった声の病気。首周辺や声帯の中の筋肉が、異常な緊張状態を起こすことによって、これらのような症状が現れます。しかし原因ははっきり分かっておらず、例えばピアニストが特定の指だけ動かせなくなったり、ドラマーがバスドラムを踏むときに右足が動かせない…など『職業』と関連する症状例が多く、精神的な面も否定できないようです。(参考資料元:コトバンク)
私も経験者。
実は私も、昔ステージでの本番中に同じ症状が出たことがあります。突然、喉がキューッと絞られていく感覚。バンドの演奏が続く中で声が出なくなり「歌わなきゃ!がんばって声出さなきゃ!」と思って声を出そうとすればするほど、どんどん締め付けられていく。あの時の突然襲ってきたその症状は、今思い返してもゾッとします。その症状が出た時に歌ってた曲は、当時とても苦手意識があった曲。私が歌ってたお店では、自分が歌いたい曲よりもその時に来て下さっているお客様の聴きたい曲を(リクエスト受付などから)優先して、セットリストもステージ開始の10分前とかに決めるシステムでした。なのでその中には当然、苦手だなーと感じる曲もあったんです。
そういったネガティブな感情から、そのような症状を引き起こしたと考えています。しかもあろうことか、そんなありえない症状が起こっていたにもかかわらず、当時の私はそれを軽く受け止め、何の治療にも動き出しませんでした。「あぁ、何かちょっと変なことが起こったなぁ…」それぐらいにしか考えてなかったのです。もっとデリケートに、自分を労わってあげるべきだったと、大いに反省しています。。。
このような症状を抱えている方へお伝えしたい事。
今回は自分や、身近な人が経験した声の疾患を紹介しました。
最近も、私が慕っている先輩が声帯結節の治療の為に1か月ほど休養すると聞いて、声の疾患について書こう!と思ったんです。歌が大好きな皆さんが、この先ずっと歌い続けていけるように、ベルティングがそういった方のお役にたてるんじゃないか?と。
また先にも書きましたが治療しても、それまでと同じ負担のかかる発声をしていては再発するかもしれない。まだ経験していない人も含めて、重大な事態になってしまう前にぜひ発声法から見直しませんか。
声を出せるという事は、本当に素晴らしくて有難いことなんですよ!
何かしら発声に不安や問題を抱えている方は、いつでもご相談くださいね。
そして明日は、
すぐに喉が疲れて声がかれる…そんな悩みを打ち明けてくれた
お客様たちに会いに東京レッスンです。
ちなみに私はベルティングを習得して以降
以前体験した、けいれん性の声が詰まる症状…は一切なくなりましたよ!
中には、声帯の画像はちょっと…という人もいるかもしれないので
今回、あえて載せてません。
もしポリープや結節がどんな状態なのか画像で見てみたい人は
ぜひ調べてみて下さいね!
それでは!
Be A Belter!
Aya
*********************
Facebook:Aya Belter’s Studio
Instagram:aya.belters.studio
