皆さんめちゃくちゃお久しぶりです!大阪よりボイストレーナーのAyaです!
世界に通用する高音発声法『ベルティング』を専門にボイストレーニングを行っています。
久しぶりにブログを書いています。
今回はミュージカル俳優さんをされている方や目指している方に向けて。
早速ですがまずは皆さんにお尋ねしますね。
もし、舞台演出の人から「地声の響きで力強く」「魂の叫びみたいな声で表現して」と
リクエストされたら、あなたはそれに応えられる自信はありますか?
また、現役の俳優さん。きちんと胸を張って舞台に立っていられてますか?
裏声を強く押して響きを出して、誤魔化したりしていませんか?
一か八か…高音のところ、出るかな…?出なかったらどうしよう?
こんな不安に駆られてステージに立っていませんか?
自分のお芝居や歌唱に限界を感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
先日、約5年ぶりにレッスンに来てくれた、誰もが知っている某有名劇団所属の
現役ミュージカル俳優さんのレッスン後記。
この5年間で重要な役どころや、作品によっては主役に抜擢されるなど大活躍中の彼女から突然の連絡が。
「次の作品で演出家から強い強いベルティングボイスを求められているけど、やはり上の音が弱いとのことで…前に先生に教わった発声練習を5年間ずっと続けているけど合ってるか自信なくて…先生!助けてくださ〜い!」
久しぶりに再開した彼女は相変わらず底抜けに明るくて。
普段お嬢様や可憐なお姫様系の役どころが多い彼女だけど、実はすっごいサバサバしてるのもまた魅力的なんです。
近況など少しお話して、さっそく今の発声状態を確認。
Aya:あれ?裏声に返ってるね!(デモンストレーションして)こんな風に裏声に抜けてるの分かる?
と伝えると「え〜〜っ!全然気づきませんでした…!」と彼女。
無理もないです。前回の単発レッスンから5年という月日が経っていることと、その間
彼女が演じてきた役はお嬢様タイプのものばかり。声楽系の裏声ミックスを使うシーンが圧倒的に多かったのでしょう。
地声を取り戻すべく、細かく調整。
まず一番気になったのが、喉のポジションが不安定な状態で、響きを作るために鼻腔共鳴に頼っていたことでした。
これは特にミュージカル俳優さんに多いです。
資料として事前にもらっていた過去の上演分の歌唱シーンの動画を観ても皆さん、やっぱり鼻腔共鳴。
鼻腔でも口腔でも、どこで響かせてもOKとお伝えしていますが、それはあくまで基礎発声が
しっかり出来上がっている上での話。発声が整っていない状態でいくら鼻腔共鳴を入れても
喉の力みがついてきて高音域のコントロールができない、不自然に作り上げられたような声になってしまうといった問題に直面するんですよね。
なので変な鼻腔共鳴のクセを捨てて、力みのない自然な地声を取り戻していきます。
一つ覚えておいて欲しいのは、いつまでも鼻腔共鳴に頼っていては、本来の自然な地声が見つけられないということ。
そこでカギとなってくるのが、ベルティング発声をマスターするための3大要素。
1、喉を後ろに開ける力
2、声帯を閉じる力
3、高音を支えるエネルギー
これら3つをバランスよく整えていくのですが
私が実際に歌ってデモンストレーションしてる最中も彼女、私をじーっと覗き込むように観察しまくってました。
これが彼女のすごいところで、ベルティングができる人がどんな表情で、どういったテンションで、どんな風に体や喉を使っているのか?など様々な角度から見て、それらを自分に取り込もうと、とにかくものすごい数のアンテナを立てて情報をキャッチしようとしている。集中力が半端ないです。
料理の味を整える感じととてもよく似ているのですが、
こんな感じですか?
あともう3ミリ後ろに開けて!
あ、ホントだ!楽になった!
今度はちょっと声を押しすぎてるから“どーでもいいや!”の感覚でやってみて!
醤油を入れすぎたらみりんを足してみよう、今度は料理酒で香りを引き立たせよう、のような作業の繰り返しで
みるみるうちに発声が整っていきます。
彼女自身もそれが手に取るように分かるようで「あっこの感覚だ!すごいすごい♪やったー!」と
目をキラキラさせて喜んでました。
「ね?自分が思ってる以上に後ろだったでしょ?」
「息を止めてるつもりでも、吐きすぎてたことに気づいたでしょ?」
と私が問いかけると、いやもう…本当にそれですよ〜っ!と、効果のないやり方で自己練習を続けていたことに対する
挫折感と、その事実に気付けた快感が入り混じった彼女の反応がすごく印象的でしたね。
レッスン時間内で何度も成功体験は積めていたので、あとは本番までにどれだけ体に落とし込めるか?
録音した内容を何回も聴き直してがんばります!と晴れやかな顔でお稽古に戻っていきました。
でね今回のレッスンで改めて感じて、特に皆さんに絶対に伝えておかなきゃいけないことがあるんです。それは
自己流はとにかく危険!遠回り!一人で悩まずに専門家に見てもらうことが何よりも近道!
昨今YouTube上でボイトレ動画なんて山ほど出回っているし、SNSで情報を発信してるボイストレーナーさんはたくさんいます。私の10代、20代の頃とは考えられないくらい便利な時代にはなったけど、キャッチボールをせずに一方通行になってしまっているという側面もあります。
ボイストレーナーの解説動画を観ながらマネしてやってるつもりでもやり方が間違っていたり、効果の薄いやり方をひたすら繰り返して無駄な時間を過ごす。よくあることです。(自分は大丈夫だと思わないこと)
ボイトレって自身の声を磨くだけでなく“耳”を鍛えることでもあります。
それはトレーナーがあなたの思考の枠をぶち壊して、枠の外の世界を見せてくれることによって身についていくものだと私は思っています。
これは実体験ですが、Chico先生のワンボイスマスターコースでベルティングのトレーニングを始めた当初、
楽に出せる地声の感覚わかったかも♪とルンルン気分でレッスンに臨んでも「ん?それって裏声だよね?」とChico先生の一言。私「えっ?」
そこで初めてハッと気付くわけです。
いかに自分に聴き分ける耳が備わっていなかったか?
いかに自分が狭い思考で闇雲に自己練習をやっていたか?
特にトレーニングをスタートして間もない頃はベルティングのコツはすぐ掴めるけど、裏声ミックスで歌ってしまうなど、すぐに前の癖に戻りやすい時期でもあるんですよね。
今回のこの劇団俳優さんの場合でも、5年前からの単発レッスン後からはコツコツと自主練習を重ねる日々。
レッスン内容の録音もしていたし、お伝えしたスケール練習を毎日ずっと繰り返していたにも関わらず、地声を鍛える練習のはずが、本人も気づかないうちに、前の歌い方(裏声)での発声に変わってしまっていた。
意味のないことに5年もの歳月を費やしていたんです。
最初の数ヶ月だけでもコンスタントにレッスンを続けていれば…
合ってるのか自信がないと感じた時点ですぐに先生に連絡していれば…
きっとこんな後悔の気持ちもあったでしょう。
私は単純に「えーーーっ!うそぉ…今までやってきたことは何だったの〜…涙」ってなってほしくないんです。
自分の悩みや課題をクリアして堂々と舞台に立ちたい!
観に来てくれたお客さんには思いっきり物語の世界観に浸って、満足して帰ってもらいたい!
誰もが望んでいることだと思いますが
聴き分ける確かな耳を持たずに自己流を続けると、本来進むべき道から逸れてしまい危険です。
軌道修正するための時間もかかり結果、遠回りしてしまうことに。
そうならない為にも、私Ayaがミックスボイスやその他の声へ繋げていくための土台となるベルティングをマスターし、長年ベルティングで発声の基礎を築くことに徹底的にこだわってきた中で、このように目指すゴールがありながらも今も声の悩みに振り回され続けている皆さんの、何かの力になれたらと思います。
どうぞどんな悩みでも吐き出しに来て下さい!
◉レッスンは現在ベルティング習得コースのスタンダードクラスのみの受付けとなっています(月謝制レッスンおよび6ヶ月のエキスパートSETはお休み中)
◉45分間のカウンセリング体験レッスンは随時実施中です!
少し長くなってしまいましたが、今回の内容はそれだけ皆さんにお伝えしたいことだったんです。
日本中のアーティストやシンガー達が発声の悩みに翻弄されることなく、自由に楽しくのびのびと歌える時代を作っていきたいので。これからもみなさんの歌唱概念、ガラリと変えていきますよ!
今日も最後までありがとうございます。それでは!
コメントを投稿するにはログインしてください。